宝塚-花組

【花組】『MESSIAH -異聞・天草四郎-』感想(2018)

★8月11日15時 2階12列 宝塚大劇場

まず今回の演目のポスター、観劇意欲を湧かせてくれる素晴らしい作品!明日海さんはビジュアルの完成度が本当に群を抜いている。ご本人の美しさはもちろん、メイクや表情でその人物を完成させている。まさかあの天草四郎が超絶イケメンになるなんて!

お芝居は、島原・天草一揆のお話。明日海さん四郎はリーダーであり、メサイアだった。民衆の「今こんなに苦しんでいるのになぜ神は助けてくれないのか?」から、四郎の「神は心の中にある、だから自分たちの中にいる神を信じて戦おう!」、という場面がまさにメサイアそのもの。この場面の前に、柚香さん演じる山田右衛門作の踏み絵をさせられそうになったのを止めるため、四郎は踏み絵をせざるを得なかったという場面がある。この場面が四郎=メサイアと認識される大事な場面で、そこを踏まえると明日海さん四郎は優しさを持ち合わせているメサイアだった。

また、民衆を一揆に駆り立てる要因である過剰に高い年貢。その年貢を指示した松倉勝家を演じていた、鳳月杏さんの民衆を追い詰めるお芝居が素晴らしかった。その悪の部分があったからこそ、民衆の苦しみ具合が手に取るように分かるお芝居だった。「お前も同じように磔にしてやろうか」みたいな台詞も、怖…と思ったし、民衆が助けを乞う場面でも一切の同情なしに切り捨てる様子がさすが。

「救いを求める」ために信仰しているからこそ、その当たり前だと思っていたことがひっくり返ると絶望に暮れてしまう。そんな中現れたメサイアに天草の人たちは救われ、自分自身の天国を探して、旅立った。私は信仰している宗教はないけれど、やっぱり四郎の言うように、「神はここにある(=自分の中にある)」、この言葉を、自分自身が正しいと思うことをする、と解釈している。何を信じるか、信じないかは自分次第。ただ、判断は自分に委ねようと改めて感じた。